離婚事件 観客の皆様はスタンドへ
事件には時代の顔があります。
離婚事件もその一つ。
最近、目立ってきたのは、若いご夫婦の離婚事件の場合、ご両親同伴で(あるいはご両親だけで)相談に来られる方が多いこと。
「婚活」も親がする時代、「離活」に親が関与するのも当たり前と言えば当たり前なんでしょうが(苦笑)
ただ、「ご両親だけ」が相談に来られた場合、まともな相談はできません。
これはお医者さんと一緒。
「子供のお腹が痛い」と言っても、肝心の子供さんがいなければお医者さんも困ります。
では、子供さんを連れてくればいいのか?…というと、これも「?」。
もちろん、最初はいいんです。
ご両親が「紹介者」として同伴される限りは…。
ただ、2回目以降も、「当事者の一人」として同席されようとされる場合には、原則としてお断りさせていただいています。
それはなぜか?
理由は2つあります。
1つは、「たとえ親にも聞かせられない話」が必ずあるからです。
例えば、「性格の不一致」の中身が、しばしば「性」の問題だったりすることがある。
私たちの業界では、SEXのことを「夫婦生活」と表現しますが、ことほどさように、「夫婦」の人間関係にはビミョーな問題が錯綜する。
だから、ご両親が一緒だと、真実を聞き出せない。
でも、法廷で証言台に上がるときは子供さん1人。
「あれっ、そんな話し聞いてないよ!?」と弁護士が目を白黒させるのはこういう時です。
もう1つは、離婚というトラブルの主人公は、あくまで「夫」と「妻」だからです。
これを忘れると、事件が解決しません。
当事者が2人なら、たとえ復縁は無理にせよ、何らかの「解決」策が見つかります。
でも、これに双方の両親が加わると、当事者は3+3=6人
それぞれが好き勝手なことを言い始めると、事件のバリエーションは無限大!
こういう状態を「こじれる」と言います。
そうなったら、まず、こんがらがった毛糸玉をほぐす。
具体的には、「選手以外の皆さんはグラウンドを出て、スタンドにお戻りください」とアナウンスする。
そして、事件をシンプルにした上で、真相は何だったのか、事実を明らかにしてゆく。
その中で、必ず、解決の方向は見つかります。
とはいえ。
スタンドから精一杯声援するのはOKですから、ご安心を(笑) (宮)