事件紹介

泣き寝入りと損切り

それでは「泣き寝入り」ではないですか!?
法律には非情なところがあります。画一的な処理しかできないから、必ずしも全ての人が納得できる答えが見つかるわけではありません。
ですから、ご相談の際「法的には難しいです」とお答えすると、このようなお言葉をいただくことがあります。これは、私たちにとってもツライことですね。

このとき、私は、事件の類型毎にお答えを変えています。

まず、お金がらみの事件のときには、「それは泣き寝入りではなく、損切りです」とお答えするようにしています。お金を問題にするときには、100円回収するために1000円かけていては意味がありません。
実は、お金持ちが、もっと金持ちになっていくのは、的確にこの「損切り」をしておられるからなのです。裏返すと、この判断ができないと、「貧すれば鈍する」の世界になっていくのですね。

難しいのは、それ以外の事件です。私は、弁護士の仕事の目的は「解決」だと思っています。だから、意地のためにあえて1000円かけて100円を取りに行くべき場合もあると思ってます。
でも、プロの目から見て、100円すら取れないだろうと思うときにはどうするか?それでもやるとおっしゃる方もおられますが、裁判の苦しさ、あるいは裁判の無意味さをご存じない場合が多い。
その場合は、手続をきちんと説明のうえ、災難をいかに前向きに乗り越えていくか、アドバイスするように心がけさせていただいております。これは、人生経験がものをいうところですね。